営業が現場(顧客オフィス)に行ったとき、何を・どの順で・どう動けばよいかを具体化した手順書。目安3時間の訪問で「動くmoc」と「1枚サマリ」を作り、その後の提案・BANTHC確認を経て、理想は先方内の稟議上申確定まで握る。1名で実施できる前提で整理している。
これは「提案時のチェック項目」ではなく、営業が現場でどう動くかの手順書。1回の訪問(目安3時間)で営業が必ず2つの成果物を持ち帰ることをゴールにする。この2つが揃えば、お客様の体感と次アクションが生まれる。
観察した1業務を、その場でAIで自動化/効率化した試作。完成度より「速さ」を見せ、AIの実力を体感してもらう。(作り方は §5)
「現状業務 → AIでこう変わる → 懸念点 → 次のステップ」を1枚に整理。持ち帰り、提案資料の土台にする。(実物イメージは §4)
対象者の時間確保・会議室調整・環境準備・業務仮説。
観察し、深掘りで1業務に絞り、その場でmoc構築(目安3時間)。
Before/After・使い方・懸念点を説明し、1枚サマリ化。
提案資料(スケジュール・費用)を作り提案、BANTHCを握る。
今後のアクションを明確化。理想は先方内の稟議上申確定まで握る。
当日の成否は段取りでほぼ決まる。大きく「現場の段取り(ロジ)」と「中身の準備(コンテンツ)」の2つを揃える。
無償で工数を割く以上、対象は売上100億円ライン・推進責任者あり・即断文化を満たす先に絞る。曖昧な「とりあえず来てほしい」や決裁者不在は対象外。
各ステップを「やること/言う・聞くこと/記録すること」で具体化。記録した内容が、そのまま1枚サマリの素材になる。1名で進めるため、手を動かす時間と会話する時間を意識的に切り替える。
深掘りの評価軸|どの業務をmoc化するか
候補を次の6軸で見て、その場で1つに絞る。各軸を高・中・低でざっくり採点すれば十分。
| 評価軸 | 良い候補の条件 | 見るポイント |
|---|---|---|
| ① 頻度・件数 | 毎日・大量に発生する | 1日/週あたりの件数 |
| ② 1件の工数 | 1件に時間・手間がかかる | 1件あたりの所要分 |
| ③ インパクト | ① × ② が大きい(削減効果大) | 削減見込み時間/月 |
| ④ 定型度 | ルール化しやすい・判断が明確 | 例外の少なさ |
| ⑤ データ入手性 | その場で使えるサンプルがある | 機微情報を避けられるか |
| ⑥ 当日実現性 | 3時間で動く形にできる | moc化の難易度 |
タイムラインで記録した内容を、この型に流し込むだけで完成する。現状 → To-Be → 懸念点 → 次ステップの4ブロック(グレー枠が記入欄、青字は記入例)。
↑ この1枚を当日中〜翌日に清書して送付。提案資料の土台になる。
moc は完璧な製品ではなく、観察した1業務をその場で動かして見せる試作。スキルや時間に応じて、次の3ツールを使い分ける。
プロンプトとサンプルを貼るだけで動かせる。最速で「AIの速さ」を見せたい時の第一候補。コード不要。
ファイルや社内データを扱いながら成果物を作れる。表・資料・データ処理を絡めた業務の試作に向く。
実際に動くスクリプト/アプリまで作り込める。本格的な自動化やシステム連携を見せたい時に。技術担当向け。
どのツールでも使えるプロンプト骨子。{ } を当日その場で埋めるだけで試作が立ち上がる。
# 役割 あなたは「{対象業務名}」を効率化するアシスタントです。 # 目的 {達成したいこと。例:問い合わせメールを分類し台帳形式に整形する} # 入力 {渡すデータ。例:メールの件名と本文(サンプルを貼り付け)} # ルール / 判断基準 - {分類カテゴリや判断ルール。例:請求=A / 解約=B / その他=C} - {例外時の扱い。例:判断できない場合は「要確認」とする} # 出力フォーマット {形を指定。例:表で |受付日|分類|要約|対応要否| の順に出力} # 例(1件だけ示すと精度が上がる) 入力:{サンプル入力} 出力:{期待する出力}
よくある対象業務の例:
あれもこれもやらない。評価軸で選んだ「一番効く1業務」だけを対象に。
その場で動くことが価値。粗くてよい。「AIだとこんなに速い」を体感させる。
現状の手間・時間と、mocの結果を並べて見せられる形にする。
1枚サマリを基に、導入スケジュールと費用感を載せた提案資料を作る。当日の体感が冷めないうちに早く出す。
提案の場で、次の6項目(BANTHC)を確認・合意する。ここが曖昧だと受注は進まない。
次の打ち手・担当・期日を具体化する。理想は先方内の稟議上申が確定するところまで握り、「いつ・誰が・何を上げるか」まで合意する。
手順通りに進めても、現場では迷いが出る。初回でつまずきやすいポイントと、その対処をまとめた。
mocは動けば勝ち。粗くてもBefore/Afterが見えればよい。作り込みすぎて時間を溶かさない。
まず黙って手元を見る。質問は作業の区切りで。話しかけすぎると本来の業務動線が見えなくなる。
「エージェント」「RAG」等は避け、相手の業務の言葉で話す。伝わらない言葉は信頼を削る。
画面を共有し「今これをこうしています」と実況する。1名実施では手が止まる時間が一番気まずい。
本番データを預からず、サンプル・ダミー・マスキングで。先に「セキュリティはこう配慮します」と伝える。
1業務の一部だけでも動かす。全部やろうとして何も見せられない、が最悪。見せられる1つを死守する。
過大約束しない。懸念を先に出す方がプロに見え、信頼される。後で覆る約束が一番こわい。
「やって終わり」にしない。その場でカレンダーを開き、提案の日程まで決めて退出する。
当日初めてツールを触らないこと。前日までにプロンプト骨子で一度素振りし、似た業務のmoc雛形を1つ用意しておけば、その場で詰まっても立て直せる。